不登校と引きこもり!それぞれの問題点と引きこもり実態を詳しく解説
2021/07/18
そもそも、不登校とか引きこもりとはどういう意味なのか。
先ず、それぞれの意味をしっかり理解しましょう。
■不登校(文部科学省による定義)
小学生・中学生・高校生で病気や経済的な理由以外で「年間30日以上欠席」したもの
■引きこもり(厚生労働省による定義)
仕事や学校に行かず、家族以外との交流をほとんどせず「6か月以上続けて自宅」にひきこもっている状態
不登校の対象は小学生・中学生・高校生のみです。
引きこもりは年齢は無関係、つまりすべての人が対象の概念です。
つまり不登校は一時的な現象であり引きこもりは一生の問題とも言えるでしょう。
不登校のお子さんをお持ちの保護者の皆さん。
「このままひきこもりになるのでは」と、将来への心配もつのることでしょう。
実際にはどうなのか(不登校だと将来引きこもるのか)を見ていきましょう。
1. 不登校の問題点とは
なぜ不登校が問題になるのでしょうか。
問題は将来が不安になることです。
人は学校に通うために生まれてきたのではないですね。
日本に学校という制度ができて、まだ百年ちょっとです。
学校がなくても、みんな立派に生きてきました。
しかし、現代は高校卒業後に大学・専門学校に進学したほうが可能性が広がるのも事実です。
小学校・中学校あるいは高校で不登校になると、大学・専門学校に進学する可能性が小さくなります。
でも、大学進学だけに限っていえば、そんなに心配はいりません。
通信制高校で高卒資格をとる、あるいは高卒認定試験に合格する、という手段があります。
しかし、不登校の原因によっては、もう一つの根本的な問題があります。
たとえ大学や専門学校に進学できたとしても…
大人になって独り立ちして社会生活が営めるか、という心配です。
つまり不登校の原因が他人と付き合えないことにあるならば…
会社員としても自営業者としても働いて生活費を稼げないことにつながります。
そうなったら親に一生世話になる、という理屈になります。
言い換えれば、健康な大人なのに働かない、働けないという問題です。
これは不登校であってもなくても生じる一般的な問題です。
だから、学校に通えないという現象、すなわち不登校とは別問題としてとらえるべきです。
2. 引きこもりの問題点とは
引きこもりの方が深刻度は大きいと考えてください。
不登校は小中高の年齢の一時的な現象です。
引きこもりは一生続くかもしれない生活スタイルです。
本来「引きこもる」という行為そのものに悪い意味づけはありません。
一定の閉じた世界で行動する、という行動様式に過ぎませんでした。
例えば、以下の例文をご覧ください。
書斎に引きこもり、小説を執筆する
都会の喧騒を逃れ、田舎に引きこもり、民宿を経営する
いかがですか?
引きこもる行為そのものは悪くないし、何も問題を感じないですね。
その理由は、たとえ引きこもっていても、仕事をして生計を立てているからですね。
もう一度、厚生労働省による「引きこもり」の定義を確認しましょう。
---
「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」を「ひきこもり」と呼んでいます。
---
問題となっているのは、自宅から外に出ない「引きこもる」行為そのものではありません。
小説家や漫画家が引きこもって仕事をしても、誰にも迷惑はかけていません。
ポイントは仕事をしないで引きこもっていると周りに迷惑がかかる、ということです。
3. 引きこもりの実態
引きこもりの調査は、従来は満15歳から満39歳までを対象に行われてきました。
しかし、近年は中高年の引きこもりが社会問題化してきました。
そこで、内閣府が2019年に初めて満40歳から満64歳までの者も対象とするひきこもりの実態調査が実施されました。
引きこもりの推定人数は以下のようになっています。
なんと、40代からの引きこもりが過半数を占めています。
15才~39才 54.1万人
40才~64才 61.3万人
この調査で、他にも様々な実態が明らかになりました。
ポイントを以下にまとめます。
3.1 引きこもりになった年齢
初めて引きこもりになった年齢は
24才まで 14.9%
25才以上 80.8%
無回答 4.3%
なんと引きこもりになったのは25才を過ぎてからが大半、ということが分かります。
つまり不登校からそのまま引きこもり、というケースは非常に少ないのです。
また、引きこもりになった年齢は60才~64才が17%で最も多いです。
何才になっても引きこもりは生じ得ることが分かります。
3.2 引きこもりになったきっかけ
40才~64才で、引きこもりになったきっかけの上位5つは以下の通りです。
退職した 36.2%
人間関係がうまくいかず 21.3%
病気 21.3%
職場になじめなかった 19.1%
就職活動がうまくいかず 6.4%
ちなみに小中高校の不登校が原因は、わずか8%です。
これらの数字から不登校ならば引きこもりやすい、とは決して言えないと分かります。
3.3 引きこもりの原因と相談窓口
様々な「きっかけ」で、引きこもりになることが見てとれました。
しかし、その根本原因は様々です。
引きこもりの原因について、厚生労働省は以下のように述べています。
「ひきこもり」は、単一の疾患や障害の概念ではなく、様々な要因が背景になって生じます。
具体的には適応障害、不安障害などの精神疾患や発達障害、あるいは家庭環境など。
実際には、それらの要因が複合的に絡まっている場合が多いと思われます。
決してひとつの原因と決めつけないほうが良いでしょう。
厚生労働省が設置した専門の相談機関「ひきこもり地域支援センター」に相談することをおすすめします。
4. まとめ
不登校は小中高校生の間だけの「学校に行かない」という現象にすぎません。
不登校でも通信制高校や高卒認定試験で大学や専門学校に進学できます。
不登校と引きこもりは別問題と考えましょう。
引きこもりは、仕事をしない・できない場合に問題となります。
原因は精神疾患や発達障害、あるいは家庭環境などの複合要因である場合がほとんどです。
厚生労働省の「ひきこもり地域支援センター」に相談することをおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
先ず、それぞれの意味をしっかり理解しましょう。
■不登校(文部科学省による定義)
小学生・中学生・高校生で病気や経済的な理由以外で「年間30日以上欠席」したもの
■引きこもり(厚生労働省による定義)
仕事や学校に行かず、家族以外との交流をほとんどせず「6か月以上続けて自宅」にひきこもっている状態
不登校の対象は小学生・中学生・高校生のみです。
引きこもりは年齢は無関係、つまりすべての人が対象の概念です。
つまり不登校は一時的な現象であり引きこもりは一生の問題とも言えるでしょう。
不登校のお子さんをお持ちの保護者の皆さん。
「このままひきこもりになるのでは」と、将来への心配もつのることでしょう。
実際にはどうなのか(不登校だと将来引きこもるのか)を見ていきましょう。
1. 不登校の問題点とは
なぜ不登校が問題になるのでしょうか。
問題は将来が不安になることです。
人は学校に通うために生まれてきたのではないですね。
日本に学校という制度ができて、まだ百年ちょっとです。
学校がなくても、みんな立派に生きてきました。
しかし、現代は高校卒業後に大学・専門学校に進学したほうが可能性が広がるのも事実です。
小学校・中学校あるいは高校で不登校になると、大学・専門学校に進学する可能性が小さくなります。
でも、大学進学だけに限っていえば、そんなに心配はいりません。
通信制高校で高卒資格をとる、あるいは高卒認定試験に合格する、という手段があります。
しかし、不登校の原因によっては、もう一つの根本的な問題があります。
たとえ大学や専門学校に進学できたとしても…
大人になって独り立ちして社会生活が営めるか、という心配です。
つまり不登校の原因が他人と付き合えないことにあるならば…
会社員としても自営業者としても働いて生活費を稼げないことにつながります。
そうなったら親に一生世話になる、という理屈になります。
言い換えれば、健康な大人なのに働かない、働けないという問題です。
これは不登校であってもなくても生じる一般的な問題です。
だから、学校に通えないという現象、すなわち不登校とは別問題としてとらえるべきです。
2. 引きこもりの問題点とは
引きこもりの方が深刻度は大きいと考えてください。
不登校は小中高の年齢の一時的な現象です。
引きこもりは一生続くかもしれない生活スタイルです。
本来「引きこもる」という行為そのものに悪い意味づけはありません。
一定の閉じた世界で行動する、という行動様式に過ぎませんでした。
例えば、以下の例文をご覧ください。
書斎に引きこもり、小説を執筆する
都会の喧騒を逃れ、田舎に引きこもり、民宿を経営する
いかがですか?
引きこもる行為そのものは悪くないし、何も問題を感じないですね。
その理由は、たとえ引きこもっていても、仕事をして生計を立てているからですね。
もう一度、厚生労働省による「引きこもり」の定義を確認しましょう。
---
「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態」を「ひきこもり」と呼んでいます。
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問題となっているのは、自宅から外に出ない「引きこもる」行為そのものではありません。
小説家や漫画家が引きこもって仕事をしても、誰にも迷惑はかけていません。
ポイントは仕事をしないで引きこもっていると周りに迷惑がかかる、ということです。
3. 引きこもりの実態
引きこもりの調査は、従来は満15歳から満39歳までを対象に行われてきました。
しかし、近年は中高年の引きこもりが社会問題化してきました。
そこで、内閣府が2019年に初めて満40歳から満64歳までの者も対象とするひきこもりの実態調査が実施されました。
引きこもりの推定人数は以下のようになっています。
なんと、40代からの引きこもりが過半数を占めています。
15才~39才 54.1万人
40才~64才 61.3万人
この調査で、他にも様々な実態が明らかになりました。
ポイントを以下にまとめます。
3.1 引きこもりになった年齢
初めて引きこもりになった年齢は
24才まで 14.9%
25才以上 80.8%
無回答 4.3%
なんと引きこもりになったのは25才を過ぎてからが大半、ということが分かります。
つまり不登校からそのまま引きこもり、というケースは非常に少ないのです。
また、引きこもりになった年齢は60才~64才が17%で最も多いです。
何才になっても引きこもりは生じ得ることが分かります。
3.2 引きこもりになったきっかけ
40才~64才で、引きこもりになったきっかけの上位5つは以下の通りです。
退職した 36.2%
人間関係がうまくいかず 21.3%
病気 21.3%
職場になじめなかった 19.1%
就職活動がうまくいかず 6.4%
ちなみに小中高校の不登校が原因は、わずか8%です。
これらの数字から不登校ならば引きこもりやすい、とは決して言えないと分かります。
3.3 引きこもりの原因と相談窓口
様々な「きっかけ」で、引きこもりになることが見てとれました。
しかし、その根本原因は様々です。
引きこもりの原因について、厚生労働省は以下のように述べています。
「ひきこもり」は、単一の疾患や障害の概念ではなく、様々な要因が背景になって生じます。
具体的には適応障害、不安障害などの精神疾患や発達障害、あるいは家庭環境など。
実際には、それらの要因が複合的に絡まっている場合が多いと思われます。
決してひとつの原因と決めつけないほうが良いでしょう。
厚生労働省が設置した専門の相談機関「ひきこもり地域支援センター」に相談することをおすすめします。
4. まとめ
不登校は小中高校生の間だけの「学校に行かない」という現象にすぎません。
不登校でも通信制高校や高卒認定試験で大学や専門学校に進学できます。
不登校と引きこもりは別問題と考えましょう。
引きこもりは、仕事をしない・できない場合に問題となります。
原因は精神疾患や発達障害、あるいは家庭環境などの複合要因である場合がほとんどです。
厚生労働省の「ひきこもり地域支援センター」に相談することをおすすめします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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